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ふるさとチョイス

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ふるさとチョイスに掲載されている返礼品・事業所さんの紹介記事まとめです。
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記事一覧

農people file.06 塩月忍さん・千代子さん

綾町の二反野地区で50年以上野菜をつくっている塩月忍さん87歳と千代子さん83歳(取材当時)。ごぼうやにんじんなど年間13種類ほどの野菜を農協と町の直売所「綾 手づくりほんものセンター」に出荷しています。取材におじゃましたのは、県内に甚大な被害をもたらした令和4年台風14号の通過直後。 「なーんにもないよ。それでもいいならおいで。」 と取材を受けてくれた塩月さん。 二反野地区は町の中心から南へ車で10分ほどの山の上。いつも使う道は台風の影響で通れず、ぐるりと遠回りしてよ

農people file.03 石神昭子さん・柏田千穂子さん

綾町の古屋地区。 隣の高岡町に抜ける通りから脇道に入り進むと石神昭子さんと柏田千恵子さんの畑がある。ふたりは親子だ。 「私たちはふたりでひとつみたいなもんやねぇ」というのはお母さんの昭子さん。野菜の出荷はそれぞれだが、苗を買ったり、町の直売所「綾 手づくりほんものセンター」に納品するのは千穂子さんがしてくれる。 年間を通して様々な野菜を育てていて、空豆、スティックセニョール、ロメインレタス、アイスプラント、玉ねぎ、紫キャベツ、ビーツと野菜のセレクトにも女性の視点が活かされ

しげながきのこ

食品ロス。 フードロス。 まだ食べられるのに廃棄されている食品の量。552万トン。これは、世界中の飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧支援量の1.2倍相当です。もったいないと思いませんか………なんて言われて私に何ができるだろう。 悲観的で世界規模な話になると、自分にできることは何もないような気がしてしまう。これからの時代はきっと悲観的なアピールよりも楽しいアクションだ。美味しい。可愛い。面白い。そんな気持ちで行動したら、意図せず問題解決に協力してしまっている……これがいい。

日向夏

日向夏の袋掛けは毎年台風シーズン前に終わっていないといけない。袋をかけるのは強風で枝が揺れ果実に傷がつくのを防ぐためなのだが、その数は膨大だ。たしか自分は、全ての実に袋をかけるのは相当大変ですね。と、言ったと思う。 そう言いながら袋をかける。 キラキラの宝石みたいな日向夏になるように。 きれいな黄色の果皮をりんごのように薄く剥き、アルベドと呼ばれるふわふわした白皮も一緒に食べるのが特徴的な日向夏は、江戸時代に宮崎市の真方安太郎さんの庭で発見されたタチバナが花粉親の偶発実生

あゆの山水

5月も終わりだというのに、宮崎にしては珍しく涼しい風が常に吹き抜けていく。綾南川のすぐそば、綾町昭和地区にある「あゆの山水」の養殖場。 これがないと始まらない!と、トレードマークの麦わら帽子を手に取り豪快に笑うのは猿渡克仁さん。「あゆの山水」の二代目若社長だ。 胸まである防水ズボンと麦わら帽子を被り向かうのは鮎の養殖池。 2021年5月29日。今日は今年初の鮎の水揚げだ。 水揚げした鮎をお店に運ぶまで保管しておく蓄養池(ちくよういけ)に網を張り、養殖池に入る。池全体に網

柿田さんのマンゴー

宮崎県綾町宮原地区。 綾北川を渡った先のちょっと小高い丘の上。 少しだけ出てきた雲とさっきよりも涼しくなった風に「こりゃ曇るかな」と柿田さん。柿田さんは綾町のマンゴー農家だ。 23歳から17年間、国家公務員として昼夜を問わず働いてきた柿田さん。 40歳を機に退職、綾町に移住し、マンゴー農家へと転職したのが15年前。 どうしてマンゴー農家なのか。 「熱帯果樹の雰囲気が好きなんだよね。ジャングルみたいで。」 ジャングルのような雰囲気。 それは柿田さんの前職での経験が

多様性のワイナリー「香月ワインズ」

2021年は例年よりだいぶ早い梅雨入りと、梅雨明けが発表されてからも降り続く雨に悩まされた年だった。台風の上陸がなかったのも大きな特徴だ。そのため葉物野菜にはいつもは見られない虫が発生した。例年なら小さな虫は台風で飛ばされていく。自然との関係はいつでも持ちつ持たれつ。時には被害を被る事もある。だが文句を言う人はこの町にはいない。「仕方のないこと」だからだ。自然は私たち人間の力ではどうにもできない。受け入れるしかない。この町の人達は、昔からそうやって、自然と共に生きている。