農people file.06 塩月忍さん・千代子さん
綾町の二反野地区で50年以上野菜をつくっている塩月忍さん87歳と千代子さん83歳(取材当時)。ごぼうやにんじんなど年間13種類ほどの野菜を農協と町の直売所「綾 手づくりほんものセンター」に出荷しています。取材におじゃましたのは、県内に甚大な被害をもたらした令和4年台風14号の通過直後。
「なーんにもないよ。それでもいいならおいで。」
と取材を受けてくれた塩月さん。
二反野地区は町の中心から南へ車で10分ほどの山の上。いつも使う道は台風の影響で通れず、ぐるりと遠回りしてようやく塩月さんの家に到着。
「台風でなんもかんもなくなっちゃって…楽しみにしてたのに…」
と言って連れて行ってくれた畑には、茎が折れ、葉のちぎれたごぼう。
何も植えていないように見えた畝には、所々にじゃがいもが。
「せっかく芽が出たのに全部流されちゃって…」
……改めて台風の威力を感じさせられました。
「それでも前よりはいいかもしれん。前はハウスがやられてね…」
なんてお話を聞いているうちにゴボウを掘り始めた忍さん。
「小さいけど少し持ってけ」
手際良く鎌で葉を落とし、鍬で土を堀りスコップでゴボウを取り出す姿はとても力強い。さすが農業歴50年以上!の慣れた手捌き。
お父さんすごいですね!と千代子さんに言うと、
「ほんとにねぇ。わけもんがかなわんくらい一生懸命やりよるよ。」
とこっそり教えてくれました。
帰り際、忍さんは
「これ(台風14号)を機に農業はもうやめようかなと思ってたけど…もう少し頑張ってみるわ」と笑って話してくれました。
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忍さん、千代子さんのお野菜は、綾町ふるさと納税の返礼品「お好きなときにいつでもお届け」旬のお野菜セットに入っています(^^)