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日向夏の袋掛けは毎年台風シーズン前に終わっていないといけない。袋をかけるのは強風で枝が揺れ果実に傷がつくのを防ぐためなのだが、その数は膨大だ。たしか自分は、全ての実に袋をかけるのは相当大変ですね。と、言ったと思う。 そう言いながら袋をかける。 キラキラの宝石みたいな日向夏になるように。 きれいな黄色の果皮をりんごのように薄く剥き、アルベドと呼ばれるふわふわした白皮も一緒に食べるのが特徴的な日向夏は、江戸時代に宮崎市の真方安太郎さんの庭で発見されたタチバナが花粉親の偶発実生
宮崎県綾町宮原地区。 綾北川を渡った先のちょっと小高い丘の上。 少しだけ出てきた雲とさっきよりも涼しくなった風に「こりゃ曇るかな」と柿田さん。柿田さんは綾町のマンゴー農家だ。 23歳から17年間、国家公務員として昼夜を問わず働いてきた柿田さん。 40歳を機に退職、綾町に移住し、マンゴー農家へと転職したのが15年前。 どうしてマンゴー農家なのか。 「熱帯果樹の雰囲気が好きなんだよね。ジャングルみたいで。」 ジャングルのような雰囲気。 それは柿田さんの前職での経験が